循環器科の看護師の仕事内容とは?働くメリット・注意点や給料相場を紹介
記事掲載日:2021/02/25
多くの看護師にとって緊急性が高く、急変対応が多いイメージなのが循環器科。大変そうな診療科ですが、循環器科の看護師は具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
循環器科ならではの働くメリットもたくさんあるので、しっかりチェックしておきましょう。
今回は、循環器科で働く看護師の仕事内容について、働くメリットと注意点、そして気になる給料相場を紹介します。
- 循環器科とは
- 循環器科で働く看護師の仕事内容
- 循環器科の看護師として働くメリット
- 循環器科の看護師として働く際の注意点
- 循環器科で働く看護師の給料はいくら?
- 循環器科の看護師が持っておきたい3つの資格
循環器科とは
循環器科の循環とは、血液の流れのことを指します。血液は酸素をはじめとする私たち人間が生きるために必要な成分を、体のあちこちに届ける役割を持っているもの。そのため、血液の流れが滞ってしまうと、さまざまな疾患を引き起こしてしまいます。
循環器科は血液の流れに関する疾患を専門的に扱う診療科です。主に心臓と動脈、そして腎臓に関わる疾患を扱います。一般的には循環器内科と循環器外科に分かれており、特に循環器外科は心臓血管外科と呼ばれることもあります。
それぞれで治療法は異なるものの、内科と外科が連携をして患者にとって相応しい治療をするのが特徴です。
循環器科で働く看護師の仕事内容
続いては循環器科で働いている看護師の仕事内容を見ていきましょう。外来と病棟に分けて解説します。
外来
外来勤務の看護師は主に医師の診療補助、そして検査補助を行います。医師の診察や診療がスムーズに進むようにバイタルチェックや検査機器の準備など、さまざまなサポートをしなければいけません。
また規模の小さなクリニックでは、看護師が伝票やカルテ整理などの事務作業を任されることもあるでしょう。
病棟
病棟勤務の場合、最も大切な仕事のひとつが心電図の読み取りです。入院しているほとんどの患者が心電図を付けており、体調の変化が心電図上に表れます。
常に心電図のデータに目を配り、内容に応じて適切なケアを行わなければいけません。
また食事制限や水分制限がされている患者への生活指導・退院指導、急変した患者への迅速な対応なども大切な仕事です。
循環器科の看護師として働くメリット
循環器科の看護師として働くメリットはどこにあるのでしょうか。主なメリットを3つ紹介します。
看護師としてのスキルアップができる
心電図を読み取る力やアセスメントする力、バイパス手術などの最先端医療の知識、そして急変する患者が少なくないことからバイタルサインを正確に読み取り、初期対応をする力など、大きなスキル向上が期待できます。
患者の回復を実感しやすい
循環器科で治療を受ける際は重症だったとしても、手術などの治療によって大きく回復する患者は少なくありません。患者の回復を実感することは、多くの看護師にとって大きなモチベーションとなるはずです。
需要があるため、転職しやすい
厚生労働省の健康局 がん・疾病対策課 が発表している「循環器病対策の現状等について」によると、日本人の死亡要因第2位は循環器系疾患となっています。そのため、循環器科経験のある看護師は、多くの医療機関で需要があるといえるでしょう。
また前述したように、看護師としてのスキルアップができることも、転職しやすい理由ですね。
循環器科の看護師として働く際の注意点
たくさんのメリットがある循環器科での仕事ですが、働く際にはいくつかの注意点があります。
残業や夜勤が多く、ワークライフバランスを保ちづらい
循環器科では残業が多いのが特徴です。患者が急変した場合は人手を求められるため、必然的に残業があります。
また病棟勤務の場合は夜勤の必要も出てくるでしょう。一人の看護師が行う回数も多いため、ワークライフバランスを保ちにくいと理解しておくことが大切です。
勉強会が多い
専門的に学ぶべき項目が多岐にわたるため、研修や勉強会への参加機会も多くなります。仕事と勉強を両立させることは大変ですが、循環器科で働くためには必須です。
患者の死に直面することもある
重症患者がいることから急変し、残念ながら亡くなってしまう患者も少なくありません。人によっては患者の死が大きなストレスとなることもあるでしょう。
循環器科で働く看護師の給料はいくら?
循環器科で働く看護師は、どのくらいの給料をもらっているのでしょうか。ナースステップが調査(2021年1月時点)したところ、正社員で月給25万~40万円ほどが相場でした。
年齢や経験年数、能力などによって異なります。また、夜勤がある職場の場合は、さらに夜勤手当が加算されていくでしょう。
循環器科の看護師が持っておきたい3つの資格
最後に循環器科の看護師がぜひ持っておきたい資格を、全部で3つ紹介します。
循環器専門ナース
心臓循環器疾患を持つ患者に対して、専門的な知識やスキルを持って対応できる看護師のことを指します。入院中だけでなく、退院後の生活指導もできるようになるのは大きなメリットでしょう。
取得要件は次のとおりです。
・正看護師として1年以上(准看護師の場合は正看護師と合わせて満5年以上)の勤務経験
・循環器専門ナース研修コースへ参加する
・認定試験に合格する
慢性心不全看護認定看護師
認定看護師のひとつで、心臓疾患を持つ患者とその家族のケアに高度なスキルを持ってたずさわります。症状に合わせた適切なアセスメントとモニタリング、そして自己決定を尊重した看護を実践できるようになるでしょう。
取得要件は次のとおりです。
・看護師として5年以上の実務経験(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
・認定看護師教育課程を履修する
・筆記試験を受けて認定審査に合格する
人工心臓管理技術認定士
補助人工心臓を持っている患者に対して、適切なケアを行う者を指します。今後は心臓移植を行う患者数は増えていくことが予想されるため、人工心臓管理技術認定士のニーズも大きくなっていくことでしょう。
取得要件は次のとおりです。
・認定修練施設等で3年以上の経験や、5症例以上の(補助)人工心臓治療症例記録などの要件を満たす
・筆記試験と口頭試験に合格する
まとめ
循環器科での仕事は看護師にとってたくさんのメリットがあります。残業や夜勤があったり、勉強すべきことが多かったりと大変な面もありますが、看護師としてのスキルアップができるのは特に大きな利点といえるでしょう。気になった人はぜひ一度、求人をチェックしてみてくださいね。